インスリン過剰による低血糖症は、成人では糖尿病の治療に関連する医原性のものが圧倒的に多く、その次インスリノーマ(膵臓のインスリン産生細胞からできた腫瘍)やインスリン自己免疫症候群(インスリン抗体による低血糖症)続きますが、膵島細胞症は腫瘍もインスリン抗体もないのに、膵臓のインスリン産生細胞が過剰にインスリンを作るようになる疾患です。
低血糖により、空腹感、倦怠感、震え、発汗などが起こるほか、意識障害や、けいれんにいたることもあります。
治療として頻回食や様々な薬物療法が行われますが、症状が回復しないことも多い疾患です。
今のところジアゾキシドの内服やオクトレオチドの皮下注射以外には保険で認められている薬剤がなく、内科的な治療の手段が少ないため、重症の場合は膵臓を切除したりすることもあります。
インスリノーマ、膵臓のインスリン産生細胞からできた腫瘍によりインスリンが過剰に作るようになる疾病です。
小児慢性特定疾病の内分泌疾患No.77に解説があります。
低血糖発作などが起こり検査で発見され、多くは膵臓核出術や膵部分切除などの局所切除が推奨されています。
平田病はインスリンに対して、抗体が出来てインスリンが壊れなくなりインスリンの血中濃度が上昇して思わぬ時に、低血糖を起こす病気です。
従来は薬の副作用による一時的なものといわれていましたが、調査で長期にわたり悩んでいる方がいることもわかってきた。
非インスリノーマ低血糖症候群
上部消化管術後低血糖・食後反応性低血糖・後天性膵島細胞症
研究班先生の解説より
【成人の場合】 経験した低血糖の症状
・冷や汗がでる。
・集中力が低下しできることができない。
・思考力が落ち考えがまとまらない。
・視界に変化、光が白くにじんでかすむ。
・動悸がはじまり、脈が乱れる。
・脱力感・全身のちからが抜けてくる。
・悪夢や浅い眠りで目覚め、寝汗
・食事や甘いものを食べると治る。
【新生児や小児期の場合】 新生児や小児期の発作は文献から
意識障害、けいれん、無呼吸、顔面蒼白、昏睡、ボーとするなど
ご家族から寄せられた症状
・機嫌が悪い
・手足が冷たい
・朝や昼寝後もすぐに寝てしまう
・しゃべらなくなる
・低血糖時に糖分をとるとみるみる動き出す、よくしゃべるりだす。
・薬(オゼックス)の副作用により低血糖発作(肺炎で使用)
〇 新生児、小児
一過性患者 約17,000人出生に一人
持続性患者 約35,400出生に一人
(厚生労働省科学研究全国調査)
〇 成人患者(10代含む)
10名 (2017〜2018症例)
先天性高インスリン血症班調査
(厚労省難治性疾患等政策研究事業)
小児期・移行期を含む包括的対応を要する希少難治性肝胆膵疾患の調査研究班
分担研究 先天性高インスリン血症班が全世代対象の全国実態調査
〇 ジアゾキシド治療者
200〜300名
(平成17年未承認薬使用問題検討会 資料8-3より)
〇 オクトレオチド注射
(研究事業より保険適用となる)
〇 研究班情報
第53回小児内分泌学会学術学術集会が9月京都で開催されました。
会長あいさつと先天性高インスリン血症研究講演から
小児期・移行期を含む包括的対応を要する希少難治性肝胆膵疾患の調査研究班
分担研究 先天性高インスリン血症班が全世代対象の全国実態調査
研究班代表仁尾先生のウエーブサイトとリンク
患者では説明できない専門的な解説も閲覧できるようになり、先天性高インスリン血性・小児から成人移行期・成人発症膵島細胞症の切れ目のない研究が進んで行くことを願っています。
小児期発症の希少難治性肝胆膵の移行期を包括し診療の質の向上に関する研究
東北大学小児外科内
先天性高インスリン血症 研究班
先天性高インスリン血症診察ガイドライン 平成 28年10月1日
患者会事務局
suitousaibousyou2018@gmail.com
事務局 福岡
代表 高橋 満保
ma16takahashi@yahoo.co.jp
TEL 090-6426-3111
膵島細胞症の会
https://twitter.com/suitousaibou